<ヴィレ・ヴァロとミゲの全曲解説>
1,ヴィーナス・ドゥーム
ヴィレ「最初の曲“ヴィーナス・ドゥーム”はアルバム・タイトル・トラックでもある。終盤に書いた曲なんだが、この曲を書くのには20分ぐらいしかかからなくて、一番早くできた曲の一つだ。今作の要素の全てがこの曲に入ってるから、いい導入になってる。スロウでドゥーミーなパートも、ヘヴィーなパートも、スウィートなパートも、すごく速いパートも、その中間も全てある。愛が可能にできないことについての歌だ。愛は神みたいなものだな。神は存在しないがね」
ミゲ「テンポが速いからいいサビをのせるがかなり大変だったね。でもなんとかやった」
ヴィレ「まあまあ成功したな」
ミゲ「いや成功したよ」
ヴィレ「そうか」
2,ラヴ・イン・コールド・ブラッド
ヴィレ「この曲は最初に作りはじめた曲のひとつだ。リハーサル場所でまずギターだけリハーサルしていて、それでこのアルバム全体がより荒々しく、ギター中心のサウンドになったと言えるだろう」
ミゲ「でも、俺とお前以外はリハーサルしてないよ。この曲を作った時はリンデが腕だか手首だか痛めてさ、できなかったんだ。俺が覚えてる限りでは」
ヴィレ「じゃあ彼も入ってたら、トリオになってたんだな」
3,パッションズ・キリング・フロア
ヴィレ「この曲は10年前に俺が書き始めた曲なんだ。サビとリフは大分前からあったんだけど、他のパズルのピースがうまくはまらなかった。今回はいいタイミングで全てが上手くはまったんだよ。ツェッペリンにa-haみたいな80年代バンドをかけあわせたような、俺達なりのトリビュート曲だ」
ミゲ「ああ、この曲にはいろいろなものが入ってるな。すごくロックだ」
4,ザ・キス・オブ・ドーン
ヴィレ「アルバムからのファースト・シングル曲だ」
ミゲ「素晴らしいギターで始まるね」
ヴィレ「オジー・オズボーン・バンドのザック・ワイルドがHIMと一緒にビートルズの曲をプレイしようとしているようなサウンドの曲だ。大切に思っている人を失うっていうセンチメンタルな内容だ。すごくいいアウトロで終わるんだが、シングルでは編集で取り除かれてしまってる。だからアルバムの曲の方が優美で気味悪い感じになってる。生命が脅かされるような感じだな」
ミゲ「俺達の生命がね。スタジオで生きていた人間は俺達とティムとヒーリだけで、他のやつらは死者だったからな」
5,スリープウォーキング・パスト・ホープ
ヴィレ「この曲はアルバムの中盤で、10分以上の長さがある曲だ」
ミゲ「死者に捧げる曲だ(笑)」
ヴィレ「この曲はフィンランドのラップランドに行って書いた曲で、フィンランドの北にあってサンタクロースがいるすごく寒くて暗い場所なんだ。そこでアコースティックで曲を作り始めて、他のメンバーに聞かせたらすごく気に入ってくれて、曲自体が終わりたがらなかったから、それで10分以上になった」
ミゲ「素晴らしいと思うね。今時なかなかこういう曲は見られないからね。俺達のインデックスの中にこういう曲を入れられてすごく嬉しいよ」
6,デッド・ラヴァーズ・レーン
ヴィレ「この曲はもうプレイしてるんだ。最もオールド・スクール・タイプのHIMの曲で、『ラヴ・メタル』に入っていたとしてもおかしくないと思うね。 直球(ストレートフォワード)のロック・ソングだ。“ラヴァーズ・レーン”っていうのは人の心のレーンのことで、過去の心のレーンを捨て去ることを歌ってる。ドゥーミーでグルーミーで、まあみんな同じだな。俺達の曲はみんな似通ったサウンドだ」
ミゲ「ああ、なかなか大変な仕事だよな」
ヴィレ「そうだな」
7,ソング・オア・スーサイド
ヴィレ「これはアルバムの中で最も短い曲で、1分5秒ほどしかなくて、全部アコースティックなんだ。インタールードみたいなものだな。一番長い“スリープウォーキング・バスト・ホープ”と対になっている感じの曲だ。ロサンゼルスのホテル、シャトー・マーモンの部屋でティムと一緒にレコーディングした。楽しかったよ。よくよく聞くと、サンセット通りをトラックやバスが通る音が聞こえる。あとは椅子がきしむ音とかね。ある意味ニール・ヤング的でメランコリーでもある」
ミゲ「SUVの騒音に勝るものはないな」
ヴィレ「だが次の曲もすごいよ、“ブリード・ウェル”」
8,ブリード・ウェル
ヴィレ「まあこれはメタリカのブラック・アルバムとU2とボン・ジョヴィをかけあわせようとしたような曲じゃないかな。いや、どうかな。“ラヴ・イン・コールド・ブラッド”同様最初に作り始めた曲なんだけど、レコーディングを4回ぐらい繰り返して、アレンジをやり直したんだ。だから最後の方に収録されることになったわけだ」
ミゲ「ああ、遅れてたよな」
ヴィレ「でもすごく満足してる」
9,サイアナイド・サン
ヴィレ「最後の曲で、この曲もラップランドで書いた」
ミゲ「そこには祈祷師みたいな人がいるんだよ。彼らは実際に死者と通じ合えるんだ。だからサイアナイド・サンっていうタイトルなんだ。太陽が死者の瞳を見つめてるっていうことじゃないの。これは俺の考えだけどさ」
ヴィレ「俺にとっては酷い二日酔いなのに、サングラスをかけていない状況のことだ。ツアーに出てるとよくあることだな」